ガラス器の形成方法には次の9種類とその複合技法がある。 |
技法
|
方法
|
備考
|
1.宙吹き |
型を使わないで吹き竿に息を吹き込んで形成する方法 |
工芸作品、高級食器、照明器具、オーナメントなど |
2.型吹き |
型に吹き込んで形成する方法 |
木型、金型など |
3.型押し |
雌型の中に溶解したガラスを流し込んで、雄型を押し当てる方法 |
金型を使った大量生産技法 |
4.鋳造 |
雌型に溶解したガラスを流し込む方法 |
紀元前の出土品、建築材料、装飾品、サンド・キャスチング |
5.パート・ド・ヴェール法 |
ガラスを粉末にして、特殊な糊料で貼ったものを型のなかに詰めて、雌雄型を合わせ、型のまま焼成するとガラスが融解して型どおりのガラス器ができる |
紀元前メソポタミアで発達、日本でも国際的な作家が活動中 |
6.モザイク・ガラス法 |
最初に色ガラスの棒を作っておいて、それを同じ厚さに薄く切断したものを型の中に隙間が出来ないように並べて、雄型を合わせて、型のまま焼成する。ガラス片は融合しあって、型どおりの器物ができる |
同じ模様を敷き詰めたガラス器をミルフォリス・グラスと呼ぶ |
7.流しかけ |
凸型の上に、溶けたガラスを流しかけて、容器などに成形する。色ガラスの重ねがけも出来る。 |
簡単な技法だが薄手のものは出来ない |
8.コア・テクニック |
耐火粘土、鋳物砂、少量の繊維質を混ぜた粘土で内型を金属製の芯金の先端に作る。この型を焼いて、その上に溶解ガラスを巻きつけたり、伸展させたりして、型の表面を十分に覆い尽くす。色ガラスを巻きつけたり、針で傷をつけたりして文様をつけ、除冷した後、芯金を取り、その穴から内型をくずしてかき出して完成 |
手間が面倒で時間がかかる。コア・グラスと呼ぶ。 |
9.機械成形法 |
型吹き、型押し、鋳造の工程を機械によって行うもので手動式の押し型形成機から全自動式まである。 |
大型自動形成機では1日に10万個を生産する |
|
参考文献
・「ガラス工芸 歴史と技法」 由水 常雄 桜楓社
・「だれにでもできる ガラス工芸」 由水 常雄 文遊社
|